私は26歳で結婚し、29歳で長女を、32歳で次女を出産しました。
子供は可愛い反面、完璧主義で子育ても家事もちゃんとしたい、でも実家も遠く、夫も仕事が忙しく、平日はワンオペが当たり前、という環境の中、疲れが溜まりイライラしたり、ストレスから甘い物がやめられない、という悩みを抱えていました。

もっと若い20代の頃から気になっていた下半身の冷えやむくみ、肌のくすみといったカラダの不調、やるべきことがあるのにカラダに力が入らない、やる気が起きない、ネガティブでくよくよとした思考になってしまうといった心の不調もこの頃がピークでした。

多くの方がそうするように、私も知識がなかった頃は若かりし時に成果があったダイエットーー炭水化物抜きや、とにかく食べる量を減らしたり、水に溶かして飲むだけのスープやドリンクといった市販のダイエット食を取り入れたりもしていました。

知識がなかったため、限界まで我慢をした反動で甘い物を際限なく食べてしまう、というようなこともありました。

その結果、体重は減らず、たんぱく質の摂取不足による筋肉の減少で体脂肪率は増え、筋肉が減ることで代謝が低下し冷えが進行、下半身のむくみが悪化するばかりか、冷えが原因の疲労感や無気力、イライラしやすくなる、という状態を引き起こしていました。

さらには当時悩みだった肌のくすみは、糖質の過剰摂取で引き起こされる「糖化」が原因でした。糖化は、血液中の余分な糖分がカラダ内のたんぱく質と結びつき、AGEs（終末糖化産物）を生成する過程で起こります。

このAGEsがコラーゲンに結びつくと、コラーゲンの構造が損なわれ、肌のくすみやシワ、ハリがなくなる原因となります。さらに糖化が進むと、新しいコラーゲンを作る能力も低下するため、肌の回復力も落ち、どんどん肌が老けた印象になっていきます。

糖化を避けるためには炭水化物の摂取量を減らすべきですが、そのために脂質が有効であることが最近の研究で明らかになりました。

脂質は長らくダイエットの天敵とされてきました。ところが脂質にも悪質な物と良質なものがあることが分かり、魚類やナッツ、アボカドなどに含まれる良質な脂質は、お肌のハリや水分保持力をアップさせてくれる働きがあります。

さらに、老化には細胞の慢性的な炎症が関わっていますが、良質な脂質には抗炎症作用があるため、シワやたるみ、くすみの予防にも役立ちます。ビタミンの中には脂溶性のものがあり、ビタミンA、D、E、Kは脂質を一緒に摂ることできちんと働かせることができるのです。

マクロビオティック、ヴィーガン、グルテンフリー、ローフード、地中海式、薬膳、といった様々な食事法を試してきた私が行き着いたのが、「リアルフード」を食べる、ということです。

マクロビ食では玄米メインで動物性食品や乳製品を避けたり、砂糖の代わりに甘酒でスイーツを作ったり、ヴィーガン食では牛乳の代わりに豆乳、肉や魚の代わりにフムス（ひよこ豆由来）やテンペ（大豆由来）といった代替品を取り入れたり、グルテンフリーのために小麦粉を米粉に変えたり、薬膳食材を揃えてみたり、とにかくいろいろなことをやりました(笑)

普通のスーパーでは売っていない食材は、自然食専門店に足を運んだりやオンラインで探すなど時間も費用もかかります。

一方で、「リアルフード」は加工が最小限で自然に近い状態の食品を指します。要は、スーパーや生協などで売られている素材そのものを、添加物や過剰な糖分、塩分を避け家庭で料理し食べる。これだけで、食品の持つ本来の栄養素や成分をそのままカラダに取り入れることができ、結局は健康や美容に1番効果的で、無理なく続けられると分かったのです。